お漏らしの原因はストレス?おねしょ(夜尿症)・昼間のおもらし(尿失禁症)について

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担当ドクターの紹介

おねしょ(夜尿症)と昼間のおもらし(尿失禁症)については、第2・4土曜日に腎臓専門医の辻 章志医師が担当します。

おねしょ(夜尿症)と昼間のおもらし(尿失禁症)の違い

おねしょ(夜尿症)と昼間のおもらし(尿失禁症)の違いおねしょは、一般的に「排尿機能の未発達」を原因とすることが多いため、ほとんどの場合は年齢を重ね、排尿機能が発達していくことで解消されます。 一方で昼間のおもらしの場合、膀胱や尿道といった排尿機能だけでなく、腎臓、背部・骨盤の神経に問題があるケースも見られます。

年齢を重ねて排尿機能の発達を待つだけでなく、より専門的な検査・治療が必要になる割合が高いと言えるでしょう。

また、おねしょしてる…おもらししてる…

おねしょをした布団やシーツを頻繁に洗ったり、出先でのおもらしで帰宅せざるをえなかったり――。
そんなことが続き、ついつい、お子様を叱ってしまうということはありませんか?
あるいは「どうしてうちの子だけ」「お兄ちゃんはこんなことなかったのに」とご不安を抱え込んではいませんか?

当然ながらお子様は、わざとおねしょ、おもらしをしているわけではありません。また、叱って治るものでもありません。
3歳頃までは「して当たり前」を考えてあげてください。そして、少しでもご不安があるようでしたら、ぜひ一度当院にご相談ください。「夜尿症」「尿失禁症」という病気を原因としている可能性もあります。

おねしょについて

おねしょと夜尿症の違い

おねしょは、3歳くらいまでのお子様に、排尿の機能が未発達のために起こるものです。 一方で夜尿症とは「5歳以上の子供が月に1回以上睡眠中に排尿する状態が3カ月以上続くこと」と定義されています。夜尿症の場合は、何か他の原因が隠れていることを疑う必要があります。ただ、必ずしも病気が原因というわけではありません。少し環境を変えてあげるだけで改善することもありますので、焦らずに、まずは一度ご相談ください。

なぜおねしょをするの?夜尿症の原因は?

おねしょの原因

おねしょの原因は、排尿の機能の未発達にあります。そのため身体が成長していくに従って改善されていきます。

夜尿症の原因

夜間に溜まる尿が多い膀胱に溜められる量が少ない睡眠障害などの原因が考えられます。

小学生になっても毎晩夜尿が続いたらご相談ください

5歳までのお子様であれば、特別な治療などを行わず、排尿機能の発達に伴うおねしょの改善を待っていても問題はありません。
ただ、小学校に入学しても月に何度も夜尿をするようでしたら、一度ご相談いただければと思います。6歳を境に急に病気のリスクが高まるということではありませんが、友達とお泊り会をしたり、夜尿をするしないといった話題が持ち合がることも多くなり、お子様自身が夜尿をしていることを気にし始める時期です。「悪いこと」「親に迷惑をかけている」「自分だけ恥ずかしい」と思い込み、不安や劣等感にさいなまれることもあります。
お薬による治療が必要なこともそうでないこともありますが、いずれにせよ、夜尿を改善してお子様の不安を取り除いてあげることが重要になります。

夜尿症の治し方

夜尿症を治していく上でまず大切なこと

どのような治療を行う場合にも、夜尿をしたからといって怒らず、反対に夜尿をしなかった日には褒めてあげるようにしましょう。
また、お母様・お父様の心持ちとしては、他の子やきょうだいと比べないことに重きを置いてください。夜尿症は遺伝や子育て方法は関係ありません。誰に起こってもおかしくない、1つの“症状”として捉えてあげましょう。
お子様と保護者様が楽な気持ちで、けれど前向きに治療に取り組むことが大切になります。

夜尿症の治療

生活のリズムを整える

決まった時間に起き決まった時間に寝ることを習慣化します。朝ごはんが食べる時間がない、夜遅くに晩ごはんを食べるといったことも、間接的に起床・就寝時間を乱すことになりますので、1日3食を決まった時間に摂ることも大切になります。

予防習慣を身につける

就寝前と起床後のトイレ、就寝時に身体を冷やさないといったことも、夜尿予防に効果があります。できるだけ習慣化しましょう。なお、夜中に起こしてトイレに行かせることは夜間に尿量を減少させるホルモン(抗利尿ホルモン)の分泌の乱れを起こし、かえって逆効果になりますので、避けましょう。

夜尿アラーム療法・薬物療法

生活のリズムを整えたり予防習慣を身につけても改善しない場合には、夜尿アラーム療法薬物療法を実施します。夜尿アラーム療法とは、水分を感知するセンサーを下着に取り付け、夜尿をしたときにアラームによって目を覚まさせる療法です。「こんな感じのときに夜尿をしている」ということが自覚され、改善が期待できます。
薬物療法では、膀胱の機能を安定させるお薬、尿量を少なくするお薬などをお子様に合わせて選択します。

夜尿症(おねしょ)に対する治療のステップ

  1. 初診時にWeb問診に入力していただいた問診を元に症状について確認をさせていただきます。
    WEB問診
  2. 聴診を含めての診察をいたします。
    診察
  3. 腎・泌尿器系の疾患の鑑別のために膀胱・腎臓を中心に腹部エコー検査を行います。
    腹部エコー
  4. 夜間水分摂取量についてあるいは夜尿日誌の記載の仕方についてご説明をします。また次回受診時に起床時第一尿を持ってきていただくための採尿容器をお渡しします。
  5. 診察所見や腹部エコーで便秘の併存を確認出来た場合は便秘に対する治療薬を処方することがあります。
    腹部エコー検査
  6. 2回目の受診時に起床時尿を検査して尿比重・尿浸透圧などを測定します。また記入していただいた夜尿日誌から夜尿の原因が夜間多尿なのか膀胱容量が少ないのか判定して治療方法についてご提案をします。

昼間のおもらしについて

昼間のおもらし日中のおもらしときくと、オムツを外したばかりのお子様、もしくはご高齢の方に多いというイメージがあるかもしれません。 しかし、5~15歳の子供を対象にした2019年のある調査によると、昼間のおもらしがあると答えた割合は全体の8%にあたることが分かりました。1クラスを40人とすると、そのうちの1~2人が経験している計算になります。年齢を重ねていくにつれて昼間のおもらしは減少していきますが、小学校高学年(5・6年生)、中学生にも一定数見られます。

なお、おもらしのシチュエーションとして多いのは、約半数を占めた「自宅で」でした。次いで「学校や幼稚園・保育園」「下校・下園途中」「外出先」と続きます。

5歳を過ぎても「おもらし」が続く場合は尿失禁症の疑いがあります

昼間のおもらしも、おねしょと同様に年齢を重ね、排尿機能が発達していくことで改善するケースがほとんどです。
通常この機能は2~3歳頃には確立され、おもらしもなくなっていきますが、中には解消しないケースも存在します。
身体の発達と同じように、排尿機能の発達にも個人差があります。ただ、5歳を過ぎてもおもらしが改善しない場合には、尿失禁症という病気を疑う必要があります。

なぜ、おもらし(尿失禁症)をしてしまうのか?その原因は?

排尿機能の未発達・低下

おしっこを溜める膀胱の機能おしっこを一度に出し切る排尿のための筋肉などが未発達であるケースです。あるいは、何らかの原因によってそれらの機能が低下していることも考えられます。

腎臓、背部・骨盤の神経の問題

腎臓、背部・骨盤の神経に何らかの異常が生じ、おしっこを我慢できないなどの症状をきたします。中には、腎障害を起こしているケースも見られます。

昼間のおもらし(尿失禁症)とおねしょ(夜尿症)の両方ともなうケースもある!?

昼間のおもらしとおねしょ、その両方が見られるケースも存在します。
保護者様のご負担も大きくなりますので、5歳未満であっても、一度ご相談いただければと思います。排尿機能の発達を待つだけでなく、適切に対処することで、おもらし、おねしょをある程度防ぐことができます。お子様の症状、ご家庭でのライフスタイルに応じてアドバイスいたします。治療をする場合はまず、昼間のおもらしの治療から開始して、改善してから夜尿症の治療をします。

遺尿症(昼間のおもらし)に対する治療のステップ

  1. 初診時にWeb問診に入力していただいた問診を元に症状について確認をさせていただきます。
  2. 聴診を含めての診察をいたします。
  3. 腎・泌尿器系の疾患の鑑別のために膀胱・腎臓を中心に腹部エコー検査を行います。
  4. 膀胱に尿が溜まっている場合は院内のトイレで排尿をしていただき、その後腹部エコーで膀胱を再検して残尿の有無を確認します。
  5. 遺尿に対する対策として定時排尿・排尿姿勢確認などの行動療法のご説明をします。
  6. 診察所見や腹部エコーで便秘の併存を確認出来た場合は便秘に対する治療薬を処方することがあります。
  7. 2回目の受診時に再度、腹部エコーで残尿を測定します。便秘や残尿がないにも関わらず遺尿が持続している場合は、行動療法だけでの改善が厳しいので薬物療法についてご提案をします。
  8. 遺尿に加えて夜尿を併存されている場合は遺尿が軽快していから夜尿の治療を開始します。

お母さん・お父さんも意識するだけで
自宅で出来る対策

夜尿症の場合に出来る対策

家族揃って生活リズムを整える

お子様の自律神経を適切に機能させるため、できるだけ家族で揃って規則正しい生活を送りましょう。ご両親の生活リズムが乱れていると、どうしてもお子様の生活リズムにも影響します。起床、食事、リラックスタイム、お風呂や歯磨きのタイミングなどをご家族で習慣づけると良いでしょう。

夕方以降は水分の摂取を控えめにする

夕方以降、特に就寝前の3時間に水分を摂りすぎると、夜尿の原因となります。その時間帯は、水分の摂取をやや控えましょう。日中に小まめに水分を摂取していれば問題ありません。
また、牛乳に含まれるタンパク質・カルシウムも尿量を増やす原因になります。牛乳がお好きなお子様は、日中に飲ませるようにして、夕方以降は控えるようにしましょう。

夕食を早めに摂る

食事にも水分は含まれますので、夕食は早めに摂りましょう。

1日の塩分摂取量に気をつける・お菓子を控える

塩分を摂りすぎると、水分を欲します。特に塩分を多く含むお菓子など、夕食後はできるだけ控えるようにしましょう。こちらも「夕食後はお菓子を食べない」という習慣づけにご家族で取り組むと良いでしょう。

日中におしっこを我慢する訓練をする

「おしっこを我慢する力」も膀胱の機能の1つです。適度におしっこを我慢することで、この機能が鍛えられます。ご自宅でおしっこがしたいと感じてから、5分程度我慢させます。 ただ、我慢し過ぎると腎臓に良くありませんので、必ず医師に相談してから訓練をするようにしましょう。

身体の冷えを防ぐ

下腹部だけでなく、手足なども冷えないようにしてあげることが大切です。お風呂にゆっくり浸かったり、パジャマや寝具、室温を季節ごとに調整するなどの方法があります。

夜中に起こさない

治療の際にも重要なことですが、夜尿が心配だからといって、夜中に起こしてトイレに行かせるのは避けましょう。抗利尿ホルモンの分泌が阻害され、逆効果になります。

昼間のおもらしの場合に出来る対策

おしっこをするタイミングを約束する

「朝起きてすぐ」「幼稚園や学校に行く前」「2時間目と3時間目のあいだの休み時間」「寝る前」といったように、おしっこをするタイミングをお子様と約束しましょう。「〇時」と決めると日によって守れないこともあるため、「何かをする前・した後」にするとよいでしょう。1日6回以上を目安としてください。

1度で全部出し切る練習をする

1回のおしっこで、尿をすべて出し切る練習をします。「全部出た?」「もう出ない?」と優しくきいてあげましょう。急がす、ゆっくりと排尿させることも大切です。

水分を小まめに摂る習慣をつける

一気にたくさん飲むのではなく、小まめに水分補給をする習慣を身につけさせましょう。おしっこの頻度や回数も安定します。

外遊びをさせる

身体、とくに体幹を鍛えることで、おしっこを我慢する機能の発達を促します。近年はお子様の運動不足も指摘されています。積極的に外遊びをさせましょう。

オムツ・軽度失禁パッドを使う

おもらしをして一番ショックを受けるのは、お子様ご本人です。また、治療を開始してすぐにおもらしが解消するわけでもありません。特にお子様ご自身が不安を抱えたまま外出せざるを得ないときなど、オムツ、軽度失禁パッドを使って安心させてあげることも大切になります。

おねしょ(夜尿症)・おもらし(尿失禁症)が
治らない子どもQ&A

小学生になってもなかなかおねしょが治らないのですが、病気なのでしょうか?

夜尿症の定義は「5歳以降で、1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続くもの」となっています。そのため、小学生になっても夜のおもらし(夜尿)が治らない場合は「夜尿症」という治療してあげるべき病気と考えていただくのが良いと思います。週3日未満の夜尿は自然治癒が見込めるお子様がいますが、週7日夜尿を認める場合は自然経過ではほぼ改善しないとの報告があります (Yeung, CK, et al. BJU Int. 2006)。

従って、小学生になっても3回/週以上あるいは連日の夜尿を認める場合は受診していただくことをお勧めします。

なかなかおねしょが治らないのはしつけの問題?ストレス?なのでしょうか?

おねしょ(夜尿症)が治らないことと「しつけ」は関係ありません。むしろ「ストレス」を感じて夜尿をするお子様もおられますので、過度の「しつけ」によりストレスを感じる事が夜尿の原因となる場合もあります。

おねしょが続いているので、夜中に無理に子どもを起こしてトイレに連れて行ってもいいのでしょうか?

夜間は通常、昼間と比べて尿量が減少するように抗利尿ホルモンが脳から分泌されます。夜尿症のお子様はこの抗利尿ホルモンの分泌のバランスが悪いため、夜間尿量が減少せずに夜尿を認める場合があります。抗利尿ホルモンはぐっすりと寝ているときに分泌されるホルモンのため、夜尿のあるお子様を夜中に無理に起こすとかえってホルモン分泌のバランスが崩れるために夜尿が治りにくくなります。従って、夜中に無理にこどもを起こしてトイレに連れて行くのは控えて下さい

1日複数回おもらしをすることがあります。すぐに対処したいです。対処法を教えてください。

1日に複数回おもらしをするお子様はオシッコが膀胱に溜まったという感覚が鈍い場合があります。この感覚は成長と共に改善が期待できますが、まずはオシッコをする時間を決めてあげて下さい(定時排尿といいます)。学校に行っている間では休み時間毎に必ず行くなどのお約束毎を決めて、1日6回以上は排尿するようにしてあげて下さい。またすぐに対応する方法としては一時的に失禁パッドを使用してあげる方法があります。

日常で動いたり、笑ったりした時によく尿が漏れるため、4歳の子供がいつもトイレに間に合わないことがあります。改善方法を教えてください。

日常で動いたり、笑ったりしただけで、尿が漏れる場合は腎臓や泌尿器系の病気が原因となっている場合があります。適切な対応が必要となる場合がありますので早めに受診していただいた方が良いと思います。また、おもらしの原因が極度の便秘である場合があります。便秘が原因の場合は水分摂取に気を付けたり、食物繊維の多い食事をとることに気を付ける必要がありますが、なかなか改善しない場合は下剤を使用してあげた方が良い場合があります。

中学生になっても症状が治まりません。改善方法はありますか?

小学生と違って、中学生になっても昼間のおもらしが治らない場合は腎臓や泌尿器系の病気が原因となっている可能性が高くなります。早めに受診されることをお勧めします。

子供がお漏らしするのは、発達障がいの1つなのでしょうか?

昼間のおもらしと発達障がいとは直接関連するものではありません。小学生低学年(1・2年生)で約3割、中学年(3・4年生)で約2割、高学年(5・6年生)で約1割の子どもがこの症状で悩んでいます。どう対処したら良いのかわからず、悩んでいる子どもや保護者の方がおられることが知られています。

昼間のおもらしでお悩みの方も一度、当院にご相談いただければと思います。

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